静岡県河川協会では、毎年、静岡県河川協会総会において、「河川功労者表彰」を行っています。
この表彰は、県内の治水・利水をはじめ、河川や海岸の環境美化、水防活動等に多大な功績のあった個人及び団体を、静岡県河川協会長が表彰するものです。
本年度は台風第2号の直撃により総会が中止となってしまったため、各受彰者様を推薦した市町、及び土木事務所において、それぞれ表彰状などの授与式を行っていただくことになりました。
第4弾の表彰伝達式は、8月23日水曜日に、静岡市役所職員が受彰者様のお宅まで出向いて行なわれました。
受彰者は、小野田 稔 様 です。
小野田様は、平成26年4月から現在に至るまで9年間、静岡市から委嘱され、国土交通省所管の田町排水樋管の操作業務に従事していらっしゃいます。
みなさんは「樋管」をご存知ですか?
恥ずかしながら、私は今回初めてその存在と、操作人のお仕事について知りました。
簡単にご紹介させていただきますと、樋管とは、流水を制御する目的で河川や水路に設置される施設です。
(*参考*写真は、静岡市葵区辰起町の樋管施設です)
平常時は扉が開いた水が流れる状態になっており、住宅地や小さな支流・水路側から生活排水や雨水を河川に流しています。
大雨が降ると、河川から逆流して被害が起こるのを防ぐために、扉を閉め、住宅地を浸水から守ります。
扉の開閉には人の手が必要です。
樋管の扉を閉めると、今度は住宅地側の水の行き場がなくなり、内水被害による浸水の危険が発生するからです。
その場合には、様子を見ながら扉を開けて河川側に水を流したり、ポンプ車を使って排水するなどの対策をします。
川の水位が低くなってきてはじめて扉を開けた状態にし、住宅地側に溜まった水を河川に流します。
その操作を行っているのが、小野田様のような「樋管操作人」の皆様で、大雨の中でも駆けつけて作業を行なったり、水位の状況を見極めるため長時間待機したりと、非常に重要で、危険も苦労も多いお仕事といえるでしょう。
大雨時の対応だけでなく、日頃から樋管の点検操作を行い、昼夜を問わず出水に備えて住民の生命と財産を守っていらっしゃるのです。
(写真 左から 静岡市役所 河川課 長井 隆 課長補佐、小野田 稔 様)
8月23日当日は、静岡市役所河川課の、長井 隆 課長補佐から賞状と額、記念品等を贈呈いたしました。
小野田 稔 様はじめ樋管操作人の皆様には、昨今の気候変動の影響によりますます激しくなっている豪雨災害の折柄水防活動等へ御尽力下さり、心から敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。