「ダムと緑のダムー凶暴化する水災害に挑む流域マネジメント」(日経PB¥2,000+税)
2017年の九州北部の豪雨災害では、伐採後に寝かしてある木ではなく、山の立木が大量の流木となって、街に大きな被害を与えました。
本書は河川の上流域に焦点を当て、その中で山林崩壊のメカニズムを解説してくれていますが、森林は中小洪水においては、洪水緩和機能を発揮するが、大洪水においては顕著な効果を期待できない、とする日本学術会議により農林水産大臣への答申も紹介されており、目からウロコでした。
一方で、これからのダムに求められる役割について述べ、事前放流の一層の活用などにも触れています。
今後のダムと森林が連携した流域マネジメントが提言されていて、示唆に富みます。