多自然川づくり事例発表会が開催されました

10月12日(木)、静岡県庁の会議室で、静岡県河川協会が協賛した多自然川づくりの優良事例についての発表会が開催されました。

国・県・市町の担当者が、会場とWEB併せて160名参加し、大変盛況でした。

 

「多自然川づくり」とは、

➀河川全体の自然の営みを視野に入れ、

②地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、

③河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するための河川管理、

と国土交通省水管理・国土保全局のホームページにはあります。

 

発表会のグランプリには、富士土木事務所の「過去事例に学ぶ~地域の歴史・文化と結びつく川づくり~」が投票により選ばれました。

富士土木事務所では、15年ほど前に、昔から暴れ川として知られていた風祭川の護岸工事を行うにあたり、江戸時代までの祭事史跡の保存や地元からの環境保全を望む要望を容れて、可能な限り自然地形を残す工事を行いました。

工事からかなり時間が経過したこともあり、歴史・文化・地域への配慮をした工事個所の現状、地元とのつながりをモニタリングすると、自然地形を残した護岸工事を行ったために土砂の堆積などが見られず、治水機能・瀬や淵の創生、生物の生息環境としてよりよい環境になっている。また地区や近隣の小学校で歴史を調べたり風祭川の紙芝居を作ったりするなど、地域からの愛着のある川になっていることがわかったという発表でした。

発声や話し方など発表の技術も高かったのですが、過去に「多自然川づくり」を目的として行った工事をきちんと振り返り、良かった点を確認した上で、今後の方針などにも目を向けているのがとても素晴らしいと思いました。

 

発表会の後には常葉大学の山田辰美名誉教授の「静岡県の多自然川づくり・自然豊かで安全な川づくり」の講演があり、活発な意見交換が行われました。